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 皆さん左官という職業ご存知ですか?私の夫は左官職人なのですが、近年左官職の需要が低くなり、左官を知らない方もいるかと思いますので、ぜひこの機会に知っていただければ幸いです。
左官は国家資格もある技術職で、職人の中で最も難しく奥の深い職業です。皆さんご存知の蔵や、文化財になっているお城の壁など、左官職人の手が加わっています。昔の家の壁や床は必ずと言っていいほど左官の仕事でした。しかしその左官の仕事も少なくなりつつあります。そんな中、全国の左官職人が日本の左官を守ろうと年に数回集い、技術の向上・後継に努めています。

 左官は壁を塗るだけではない、新たな挑戦をしています。昨年秋に名古屋で開かれた「かまど」の講習会に、私の夫が参加してきました。このかまどは左官職人が皆製作出来るものではなく、高い技術と知識が要求されます。「かまど」といえば、昔のご飯炊きの風景を思い浮かべますが、固形燃料でご飯が炊ける、コンパクトなかまどです。固形燃料で?と思うかもしれませんが、土の蓄熱効果と岩手の南部鉄器釜により、電気炊飯器よりも甘くおいしいご飯が炊けるのです。
 かまどを作る工程としては、まず土づくりから始まるのですが、粘りを出すため、藁を入れた土を腐らせます。そして、日干しレンガ作り→かまどの形に合わせてレンガを組む→土で形成→乾燥したら漆喰を塗り仕上げです。
一見簡単そうに思いますが、大変手間の掛る物です。その上技術を要するため、完成しても出来が悪く作り直すことも多々あります。苦労して出来たかまどを使っていただいたお客様からの、お米が甘い!米が立つとはこう言う事なんだ!とお褒めの言葉を頂き、職人冥利に尽きます。私が見ている限り、仕事が好きじゃないと出来ない物だと思います。

 このような温故知新を大切にしていきたいですね。左官に限らず我が社の石材業も同じです。誇りを持って精進してまいりたいと思います。                        大橋

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