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フューネラル豆知識

お墓のお悩み相談

お墓にまつわる慣習は宗教や地域によって大きく異なります。困ったときは、カンノ・トレーディングにご相談ください。

Q.お墓に彫る、文字や図柄に決まりはありますか?

A.宗教や墓地・霊園によって定められている場合があります。

お墓に彫る文字や図柄は、宗教や墓地・霊園によって定められている場合があります。住職や霊園の管理者、親族などに確認してみましょう。
さて、お墓の正面に彫刻される文字といえば、「○○家之墓」などが一般的です。
本来、墓石の正面には、仏塔として本尊を祀るための経典を刻みます。浄土真宗や浄土宗、天台宗は「南無阿弥陀佛」、日蓮宗は「南無妙法蓮華経」です。もしも仏塔の正面に「○○家之墓」と入れたい場合には、一番上に梵字や円相などを刻むか、納骨棺に写経を納めるという方法があります。

Q.遺骨は骨壺から出した方がいいのでしょうか?

A.仏教では、遺骨を自然の土に返すことが基本です。

仏教には輪廻思想があり、死は生まれ変わりの過程です。遺骨を土に返すことは、故人への供養となります。骨壺はあくまで、遺骨を運ぶための入れ物です。
遺骨を納骨棺の底にまくのに抵抗があれば、「お骨経袋」という布製の袋に入れて納めるという方法もあります。そうすれば、遺骨が誰のものか分かりやすく、お墓の改葬や分骨する際にも便利です。

Q.お墓を建てる方角に、決まりはありますか?

A.最善は、神から見て下座となる南向きです。

まずは墓地・霊園で規定がないか確認してみましょう。
このほか、お墓を建てる方角の基準となるのが、仏教における「上座」と「下座」です。仏教発祥の地、インドでは神々のいるヒマラヤ山脈がある北が「上座」、人間が住む南が「下座」です。そこで、お墓は南向きが適しているという考え方もあります。また、陰陽道では太陽が昇る東も縁起が良いとされています。
できるだけ避けたいのは、仏教の上座と下座が逆転する北向きや、陰陽道で鬼門となっている東北向き、裏鬼門の西南向きです。
一方、仏教の浄土真宗では「四方浄土」といって、四方全てに仏様がいるという考え方があり、お墓の向きに特別な決まりはありません。

Q.お墓を移したいのですが、どうすれば良いですか?

A.お墓の引越しは「改葬」と言って、さまざまな法律手続きが必要です。

お墓に埋葬されている遺骨を、別のお墓に移すことを「改葬」と言います。法的な手続きなしに、この改葬を行うことはできません。宗教や宗派、墓誌、墓地の所在する市区町村などによって必要な手続きが異なります。改葬をお考えの際は、カンノ・トレーディングまでお気軽にご相談ください。

改葬の主な手続き
1.現在の墓地管理者に改葬の相談

これまで何代にもわたってお世話になった感謝の意を述べた上で、改葬を相談するに至った経緯を誠実に説明します。

改葬の主な理由
  • 体力的、経済的問題で、遠くにあるお墓を守れなくなってしまった。
  • 後々のことを考えて、お墓を近くに移しておきたい。
  • 子孫の負担を減らすため、本家のお墓に合祀したい。
2.改葬先の墓地と契約

最初に改葬先の宗派や今後の戒名など、改葬に関わる打ち合わせを行います。問題がなければ契約し、「墓地使用許可証」を受け取ります。また、本家のお墓と合祀する場合など、既にお墓がある場合は、この所有者とお墓の管理者の了承を得ます。いずれの場合も、管理者より「受け入れ証明書」を発行してもらいます。

改葬の主な手続き
  • 改葬先の宗旨・宗派
  • 戒名を新たに付ける必要があるか
  • 墓地に指定石材店があるか
  • 維持費
  • 現在の墓石を移すのであれば、それが可能かどうか
3.改葬許可申請書と埋葬証明書の準備

現在の墓地がある市区町村の役場で配布している「改葬許可申請書」を受け取ります。このとき改葬許可申請に必要な提出物を確認しておきましょう。
続いて、現在の墓地管理者に「改葬許可書」に署名・捺印してもらい、「埋葬許可書」を受け取ります。
※自治体によって「改葬許可申請書」と「埋葬証明書」が1枚の用紙になっている場合があります。また、どちらも原則として遺骨1体につき1枚必要となることが多いです。
※「埋葬証明書」ではなく「火葬証明書」の場合もあります。

4.改葬許可申請

現在の墓地がある市区町村の役場に必要書類を提出し、改葬許可証を受け取ります。

提出する書類の例
  • 墓地使用許可証・受け入れ証明書・改葬許可申請書・埋葬証明書
受け取る書類
  • 改葬許可証
5.閉眼供養(魂抜き)・開墓の準備

住職に閉眼供養を依頼し、遺骨引き渡しと墓地返還の打合せをします。
日程が決まったら石材店に、開墓や整地を依頼します。
(原則的に使用した墓地は、整地して管理者に返します。)

基本的な確認事項
  • 日程、当日の段取り
  • 用意するもの
6.閉眼供養(魂抜き)・開墓

閉眼供養とは、お墓に宿った仏様の魂を鎮めて抜き取る供養です。供養後にお布施を出して、お世話になった住職にあいさつをします。
続いて開墓です。石材店職員が開墓し、遺骨搬送の準備を行います。遺族は、遺骨と火葬許可証または埋葬許可書を自宅へ持ち帰るか、一時的に遺骨だけを元の菩提寺で保管してもらい、改葬先のお墓が完成するのを待ちます。

7.納骨・開眼供養(魂入れ)

改葬証明書は新しい墓地の管理者に提出し、事前に日時を決めて、納骨・開眼供養を行います。(開眼供養について詳しくはこちら。)

Q.改葬にはなにが必要ですか?また、費用はどのくらいかかりますか?

A.まずは、お墓のある市区町村に問い合わせを。

改葬に必要な書類は、名称や様式などが地域によって異なります。現在のお墓がある市区町村に、「改葬許可申請」に必要な書類を確認しておきましょう。

必要書類例
【改葬許可申請書】
改葬前の墓地がある市区町村の役場で配布しています。自治体によっては、郵送で取り寄せたり、ホームページからダウンロードできることもあります。
【受け入れ証明書】または【墓地使用許可書】
改葬先の墓地管理者に発行してもらいます。
【埋葬証明書】または【火葬証明書】
改葬前の墓地管理者から発行してもらいます。「埋葬許可書」は、自治体によっては「改葬許可申請書」の中に記入欄を設けている場合もあります。
【承諾書】
改葬前のお墓の所有者が、改葬申請者以外である場合に必要となります。特に定まった様式はありません。自治体によっては指定用紙を配布しているところもあります。
【墓地返地(返還)届】
改葬前のお墓が公営の場合、改葬許可申請時に提出する必要があります。
費用例

墓石の移動をしない改葬(遺骨だけ)

  • 【1】現在のお墓の撤去費用:約20万円~50万円
  • 【2】新たな墓地にかかる費用:約100万円前後~
  • 【3】事務手続きの費用:数千円~
  • 【4】宗教者へのお布施:数万円~

墓石の移動が必要な改葬

  • 先述の4つの費用のほかに、墓石の運搬と据え付けにかかる費用が加わります。
  • 【1】+【2】+【3】+【4】
  • 【5】墓石の運搬と移設にかかる費用:数十万円~

Q.改葬の際は、どんな点に注意すれば良いですか?

A.墓地管理者や業者と綿密な打ち合わせを行ないましょう。
寺院墓地から改葬するケースにはご注意ください

トラブルになりやすいのが、寺院墓地から改葬するケース。寺院墓地にとって、改葬は大切な檀家を失うことになるため、まれに拒まれることがあります。菩提寺には、これまでご先祖様を供養していただいた感謝を伝え、誠実に改葬の理由を伝えましょう。高額な離檀料を請求された場合は、自治体に相談してみましょう。

このほかに気を付けたいこと
  • 改葬元と改葬先の宗旨・宗派
  • 改葬後、戒名を新たに付ける必要があるか
  • 墓地に指定石材店があるか
  • 維持費(今後、無理なく支払っていけるか)
  • 現在の墓石を移すのであれば、それが可能かどうか
  • 改葬後のお墓を維持する場合、その費用
  • 改葬後のお墓を維持する場合、墓誌の彫刻
  • 業者が改葬元と改葬先で別になる場合

Q.開眼供養とは、何のために行なうのですか?

A.仏の心を宿すために行なわれます。

お墓や仏壇、位牌などは、仏様の心を宿す「開眼供養」を行なわなければ、礼拝の対象にはなりません。
この開眼供養が儀式化した背景には、仏像づくりの「点睛(眼を書き込むこと)」があります。古来、仏像は眼を書き込んで初めて、像に尊い魂が入って完成するものと考えられていたからです。
宗派や土地によって入魂式・入仏式・お霊入れ・性根入れなど、さまざまな呼び方があります。目を書き込むような身振りをして、お迎えする仏を供養するお経を読みます。

開眼供養の時期や手順

建墓時だけでなく、お彼岸や新盆、年回忌に併せて行っても構いません。必要なものや段取りについては、菩提寺の住職としっかり打ち合わせを行ないましょう。読経と法要後、会食を行うのが一般的です。戒名などは開眼供養までに彫っておく必要があります。開眼供養に参加するのは、近しい親族です。遅くても3カ月前までには案内状を出しましょう。

【お布施】
開眼供養は慶び仏事として扱います。白無地の封筒や奉書紙などに包んで渡します。地域によっては、祝儀袋を使う場合もあります。
【服装】
礼服です。男性は白ネクタイを着用します。
(ほかの法事と併せて行なうときは、黒いネクタイも用意しておきます。)
開眼供養に必要なお布施の例
開眼供養の場合 3万円〜10万円
志の場合 2万円〜3万円
御膳料の場合 1万円ほど
御車料の場合 1万円ほど

Q.閉眼供養とは、何のために行なうのですか?

A.お墓や仏壇、位牌の改修や移転や処分をする際に行ないます。

開眼供養とは逆の意味があり、「抜魂式」、「お性根抜き」、「魂抜き」などとも呼ばれます。参加者は身内だけで十分です。

【お布施】
閉眼供養は弔事にあたるため、仏式ののし袋を使用します。金額は、開眼供養と同じくらいですが、墓地を返還する場合、これまでの供養に感謝して多めに包むこともあるようです。
【服装】
礼服です。男性は黒ネクタイを着用します。
閉眼供養に必要なお布施の例
閉眼供養の場合 3万円〜10万円
志の場合 2万円〜3万円
御車料の場合 1万円ほど

Q.火葬後の遺骨は、いつお墓に埋葬するのですか?

A.本来は忌明けですが、近ごろは火葬後すぐに行なうことも。

遺骨を埋葬する「納骨式」は本来、四十九日法要や五十日祭などの忌明けの法要後に行なわれてきました。しかし、近ごろでは遠方の親族に配慮して、火葬後すぐに行なわれることもあります。埋葬の日時が決定したら、墓地管理者、石材店へ連絡し、埋葬の手続きを確認しましょう。

納骨に必要なもの一例
  • 埋葬許可証(火葬証明書)
  • 永代使用許可証
  • 卒塔婆(御塔婆料
  • 宗教者へのお布施
  • 石材店への開墓費用
  • 印鑑
  • 供花、供物
  • 線香など

Q.お墓を継ぐことになったのですが、税金はかかりますか?

A.相続税は不要ですが、管理費や供養の義務はあります。

お墓は相続税の対象にはなりません。仏壇や仏具に関しても同じです。「祭祀財産」と言って相続財産とは区別されます。しかしながら、毎年の管理費や供養を続けていく義務があります。管理費の未払いなどで後々トラブルにならないように、墓地管理者に所有者の変更を申請しておきましょう。
また、お墓を継承する人は、必ずしも遺産の相続人や親族である必要はありません。友人などでもかまわないことになっています。
それでは、継承者がいない場合はどうなるのでしょうか。一定期間、管理料を支払わないと永代使用権を取り消されることがあります。このような場合、生前にお墓を建て前もって管理費を納めておくという方法もあります。

Q.お墓を建てる時期に決まりはありますか?

A.納骨には期限がなく、お墓を生前に立ててもかまいません。

新しくお墓を建てる場合、一周忌や三回忌法要を目安にすることが多いようです。納骨の法要を併せて行なえば、準備する側の負担も軽くなります。また、「寿陵」といって生前墓を建てる人が増えています。理由は、「残された人の負担を減らしたい」、または「自分らしいお墓を建てたい」など。実際に建てた人は「安心した」「生きた証を残せた」といった感想をもたれているようです。お墓には相続税がかからない分、節税として建てる方もいます。もしも経済的な状況などからお墓がすぐに準備できないときは、一時的に納骨堂へ保管しておくことも可能です。

生前にお墓を立てた場合

「自分のお墓は自分で」と、お子様にご負担をかけたくないとの理由で、生前にお墓を建てる方もいます。その場合は、墓石に戒名または俗名(どちらでも構わない)を朱墨で刻んでおき、故人になられて埋葬されたら、朱色を消します。
ご主人に先立たれ、奥様がお墓を建てた場合、奥様の名前を墓石に一緒に刻んでおくときも、同じようにします。

Q.お墓の石選びのポイントはどこですか?

A.見た目、硬さや吸水性など納得がいくものを。

石材選びのポイントは、色や形といった見た目の美しさから、硬さや粘り、吸水といった性質まで、さまざまなものがあります。産地で言えば、「国産が高い」というイメージをもたれるかもしれませんが、必ずしも外国産が劣っているという訳でもありません。近年は、外国産石材の加工技術が格段に向上しており、墓石の大半を輸入石材が占めるほどです。
見た目に関しては、宗教や墓地によって規定がある場合もありますから、事前に確認された上で、納得のいく石を選ばれるのが一番です。

Q.お墓を購入するにあたり、どのような費用がかかりますか?

A.永代使用料+墓石費用+管理費などがあります。

永代使用料は墓地と契約する時にかかる費用で、墓石費用は新たにお墓を建てるときにかかる費用です。管理費は、墓地によって異なり、一定期間ごとに支払う必要があります。

  • 永代使用料 = 墓地の契約時に支払う費用
  • 墓石費用 = 墓石の本体(外柵・納骨棺)+施行費(加工・基礎工事)
  • 管理費 = 墓地内の施設の維持・運営管理に使用される費用

Q.お墓の地震対策にはどんなものがありますか?

A.施行の際に、耐震工事を施します。

地震でお墓が倒れると、衝撃で石が欠けたり割れたりしてしまいます。欠けた部分を磨き直すなど、修繕する方法もありますが、新たにお墓を建てる費用よりも割高になってしまうことが少なくありません。予め、施行の際に耐震工事を行なっておけば安心です。

Q.お墓参りのマナーはありますか?

A.供養の気持ちが何より大切です。

お墓は、先祖と各宗派のご本尊を祀る場所です。故人を供養するとともに、家族が無事に暮らしていることを報告し、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えます。お墓参りの時期に特別な決まりはありませんが、お盆やお彼岸、故人の命日や法要の時などが目安となります。

お墓参りの基本的な流れ
  • 1:寺院墓地であれば、本堂のご本尊へお参りする
  • 2:墓地のお掃除
  • 3:お供え・焼香
  • 4:合掌
  • 5:線香や供物の始末